オーナーです。今回は「関西弁」について。
前回のブログをFB(フェイスブック)で紹介する際に「こいさん」と書いたら東京の人から質問があったので、今回のネタにします。
FBに書いたのは昭和の流行歌「月の法善寺横丁」の歌詞で、修行中の若い料理人が親方の娘に恋する歌です。唄の中に以下のセリフが出てきます。
写真:Yahoo画像より
こいさんが、わてをはじめて法善寺に連れて来てくれはったのは
「藤よし」に奉公に上った晩やった。
はよう立派なお板場はんになりやゆうて、
長いこと水掛け不動さんにお願いしてくれはりましたなあ。
あの晩から、わては、わてはこいさんが好きになりました。
何度聞いてもええなぁ、生粋の大阪弁。今でも大阪のオジンはこれカラオケで唄います。
このセリフを読んで貰えばその人がネイティブ大阪人かどうか判ります。
「こいさん」は決して「鯉さん」でも「恋しい人」でもありません。古い大阪の船場言葉(商人言葉)で、親方の末娘のことです。「わて」は「私」。ちなみに船場の親方は「だんさん」、奥さんは「ごりょんさん」、長女は「いとはん」、男の子は「ぼん」です。
主な船場言葉をあげると
あきんど(商人)
あきない(商売)
ええし(良家)
かんにん(すみません)
おいでやす(いらっしゃいませ)
ごめんやす(ごめんください)
おおきに(ありがとうございます)
ちなみに私のゴルフ仲間はパットが届かない時に「ええしのボンボン、ちょっと足らん」と囃します。
今はメジャーな吉本新喜劇ですが、往年の名女優山田スミ子が「われ、いてもたろか!」と怒鳴るのは大阪弁の方言、河内(かわち)弁です。当社所在地がその河内地方で、知り合いでコテコテの河内弁を喋る方がおられました。酔って隣の人に「われ、何してけつかんねん」(あなたは何をしてるんですか?)と話しかけると、地方の人は怒られたみたいでビックリしてました。これ、普通の河内弁です。
一方吉本新喜劇の対局、藤山寛美さんがおられた松竹新喜劇は上方人情話が多くて上品な船場言葉のお芝居が多いです。ご興味のある方は見比べて下さい。
大阪の言葉は良く「お」が付きます。
おかね(金)、おもち(餅)、おつむ(頭)、おいど(尻)、おまん(饅頭)
(注:おまんは関東では禁句のようです)
更に「さん」「ちゃん」が付きます。
おかいさん(粥)、お豆さん(豆)、お日さん(太陽)、飴ちゃん
母音が伸びる言葉も多いです。
めぇ(目)、はぁ(歯)、けぇ(毛)、てぇ(手)、ひぃ(火、日)、へぇ(屁)、かぁ(蚊)
「歯が痛い」は「はぁ痛い」。「手を洗う」は「てぇ洗う」となって助詞が無くなります。
ネット上には大阪弁の辞書までありますから、ご興味の方は一度ご覧ください。
オーナーが経験した話で面白かったのは、東京の居酒屋で「あて頼むわ」って言ったら、店の子が自分を指さして「あて?」(彼の知ってる大阪弁では「私」)。そうそう東京では「つまみ」でした。他に友人が「さいぜん」と言ったら目をパチクリされた事もありました。「さいぜん」は「ついさっき」です。
ひと口に関西弁と言いますが、大阪弁と京都弁、それから神戸の言葉(何故か神戸弁とは云いません)は違います。地元の人ならすぐ判ります。
秘密のケンミンSHOWじゃないですが、「おおきに」のひと言だけでも大阪と京都は違います。京都人はゆっくりで第2音を強めに「おおきにぃ」と最後に余韻を残す。大阪人は出だしからハッキリ「おおきに!」。大阪人が京都人の「おおきにぃ」を聞くと、その余韻の中に公家の気位の高さと何か深~い戦略性を感じるんです。(僕だけかな?)
三つの方言はだいたい語尾聞けば判ります。
大阪弁 「~ねん」(代表格は「やっぱ好きやねん」) 代表的な人:笑福亭鶴瓶
京都弁 「~してはる」「~やし」(会話のテンポが上品なので判る) 代表的な人:中村玉緒
神戸 「~しとぉ」「~しとん」(会話にやたら「いっとぉ」「やっとぉ」が出てくる) 代表的な人:思い当たらず
標準語 |
大阪 |
京都 |
神戸 |
駄目です |
あかんねん |
あかんし |
あかんで |
何をしていますか |
何してんねん |
何してはるの |
何しとぉ |
来ない |
けーへん |
きーひん |
こーへん |
凄く |
めっちゃ |
えろぉ |
ごっつい |
ちなみにアイフルのTVコマーシャルで大地真央が話してるのは京都弁です。CM用にハッキリした口調になってますが、「愛はあるんか」は京都なまりになっています。
関西圏以外の皆様、如何でしたか?
僕が東京で働いていたのは40年も前の話で、大阪弁を直すのに苦労しました。今は明石家さんまさん筆頭に吉本芸人さんのお蔭ですっかりメジャーになりましたが、こてこての大阪弁を聞きにコロナが終息したら、いっぺん大阪に来てや!
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