オーナーです。
砥粒の話を続けましょう。
研磨布(サンドペーパー)のベルトは回転させて使うので、
ベルト上の砥粒は時間軸で見れば同じように磨滅(ダーリング)して行きます。
そのために一気に研削性が落ちてしまいます。
ダーリングしない砥粒は作れないか、ダーリングの状態にバラつきを生じさせられないかと砥粒メーカーさんは日夜研究しました(と思います)。
そんなこんなで、硬度だけでなく、粒形、靱性(粘り)、破砕性に優れた砥粒が時代と共に開発されてきました。
今日は、近年登場したセラミック砥粒について書きましょう。
セラミック砥粒とは判りやすく言うと酸化アルミナの微小粉を焼いて固めた瀬戸物です(メーカーさん、大雑把でゴメンなさい)もともと小さい粒(サブミクロン)を焼き固めてひとつの粒にしているので、衝撃を受けるとダーリングではなくて茶碗が割れるように欠け落ちます。研磨作業中に徐々に欠け落ちる事で、鋭利な刃を長い時間キープして高研削性を維持する理屈です。
但し、過度に衝撃を与えてしまうと一気に茶碗が砕けてしまうので利用者は適正加圧を見極める必要があります。
現在、セラミック砥粒はサンゴバン社の提供するSG砥粒と3M社が提供するキュービトロン砥粒があり、市場のシェアを巡って激しい製品開発競争が進められています。
日本の研磨布メーカーが提供するセラミック研磨布は殆どがSG砥粒で、キュービトロン砥粒は3M社だけです。
市場評価は価格面でSG、性能は炭素鋼ではほぼ互角、ステンレス鋼や難削材ではキュービトロンに分があると云ったところでしょうか。
弊社では取扱品として各社セラミックベルトに加え、ドイツの名門、VSM社のセラミックベルトも販売しています。
円高の今はコスパに優れたドイツ製セラミックベルトをお試し頂くチャンスだと思います。
研磨に関するご相談・研磨材(研磨ホイール)の製造ならお任せあれ、
スリーエフ技研 です。
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