オーナーです。今回は研磨のお話「ロールの長さの測り方」です。
8月31日は弊社の決算日で棚卸し作業が行われました。
毎年暑い中での作業で、この時ばかりは決算日を決めた創業者を恨みます。株式設立時に、税理士さんに相談したら一番ヒマな8月が決算月になったと聞いていますが、当時は農家の納屋を借りて仕事していた程度だったので、暑い時期の棚卸しと云ってもさして苦にはならなかったのでしょう。
お陰様で弊社も設立から42年が経ち、自社工場を持つまでになりました。棚卸しの大仕事は研磨布(サンドペーパー)ロールの確認ですが、途中まで使ったロールの残量を推定するのは慣れた人間でないと出来ません。
しかし理論的にはロールの直径D、紙の厚みt、長さL で渦巻きの理論で計算可能です。
ロール物は蚊取り線香の長さ計算の理屈
ロール断面積=D/2 x D/2 x 3.14
紙の断面の和=厚みt x 長さL
この両者は等しいので txL=D/2xD/2x3.14
すなわち 長さL=D/2 x D/2 x 3.14 /t が成り立ちます。
(※:蚊取り線香は2本セットなのでさらに1/2 です)
実際のデータを一例入れると
断面積=340/2 x 340/2 x 3.14 - 100/2 x 100/2 x 3.14 ※中芯の分の面積を引く
厚み = 1.66 の時
長さL = (340/2x340/2x3.14-100/2x10/2x3.14)/1.66=49,962mm で約50m となります。
ちなみにこのロールが半分になるのは
D/2xD/2x3.14-50x50x3.14/1.66=25000 の時なので D=250 です。
個々に計算すると出せるのですが、いかんせんサンドペーパーの厚みは種類によってバラバラで実作業としては煩雑なので、AIより優れた我が社の精鋭がカンピューターで弾き出しています。永年やっていれば、藤井聡太二冠ばりに凄いですよ!
とにかくこの暑い中、ご苦労様でした。
よく読まれている記事一覧
(ブログ全体)
- 研磨のお話「番手(粒径)について」(28156)
- 研磨のお話「黒皮除去」~前編~(25830)
- 研磨のお話「包丁研ぎ」(17592)
- 研磨のお話「黒皮除去」~後編~(16838)
- 研磨条件~その二~(15755)
- 研磨のお話「面粗度」(14167)
- 研磨のお話「チャタマーク」(13240)
- 研磨のお話「セラミック砥粒」(12812)
- 研磨のお話「フラップホイール」その3(11826)
- 研磨のお話「ヘアーライン加工」(11362)
- 研磨条件~その一~(11212)
- 研磨のお話「乾式研磨・湿式研磨」(11121)
- 研磨のお話「バリ取り」~前編~(10948)
- 北天の雄、アテルイとモレ(10315)
- 研磨のお話「集合砥粒」(10243)
- 研磨のお話「バリ取り」~後編~(10217)
- 金属用研磨布(サンドペーパー)の主原料・砥粒(10089)
- 研磨のお話「番手(粒径)と面粗さ」(9870)
- Song-Kran Festival~タイの水掛け祭り~(9818)
- 研磨のお話「研磨ジスク」~前編~(9619)