オーナーです。今回のテーマは「脱『脱原発』」です。
自民党総裁選で各候補が政策議論する中の重要なテーマとしてエネルギー政策が取り上げられています。産経新聞9月24日付け朝刊の「主張」では、「脱『脱原発』」と表題を書かれていて目を引いたので今回取り上げさせて貰います。
私たちの日常生活は電気無しには成り立ちません。産業においては尚更です。
かつて日本のエネルギー政策は「原発推進」でした、あの東日本大震災で福島原発事故が起きるまでは。しかしあの事故で原発の評価は180度変わってしまいました。水蒸気爆発とメルトダウンを起こした原発は稼働が許されない危険な存在となり、日本中の原発が止められました。あれから10年が経ちますが、今でも再稼働が許されたのは僅か7基に過ぎません。
脱原発を唱える人達、マスコミは核廃棄物の問題を「トイレの無いマンション」と揶揄します。確かに高濃度の放射性物質を地下に埋めると云うのは後世に負担を掛ける事ではあります。また立地場所を精査すると古い活断層の上にあるなんてケースもありました。ともかく「脱原発」は格好のスローガンとなり多くの政治家がそれで当選し、原発は全停止になって多くの原子力技術者が働く場を失いました。
「脱原発」を語るときに風力や太陽光などの「再生可能エネルギー」が代替できるかのように言う人もいますが、実際に供給できているのは全供給量の僅か5.8%(2019年資源エネルギー庁発表)にしか過ぎません。自然相手の風力発電や太陽光発電では安定した電力を得るのは困難です。そうすると結果的に化石燃料に依存度が高まることになり、その依存度は2019年では全体のなんと89.6%(同資料より)。云うまでもありませんが日本はそのほぼ全てを輸入に頼っていて、万一供給がストップするような事態が発生すると国民生活は大混乱する事になります。そんな事は起こらない・・・なんて考えてる人は歴史を振り返りましょう。
もちろん原発も天然ウランは輸入しますが、核リサイクルが出来るので化石燃料よりずっと資源を有効に利用できます。こうした事から原子力発電は国の安全保障政策上も必要と言われています。
加えて昨年管総理が発表した「2050年にカーボンニュートラル達成」があります。気候変動問題に対応するために世界の主要国が同様の宣言を行っていて我が国も追従した形ですが、脱炭素社会を築く為には脱化石燃料が必須で、その現実的な対応として「脱『脱原発』」が議論されるべきではないでしょうか。
参考にした資源エネルギー庁のページは下記です。
https://www.enecho.meti.go.jp/about/whitepaper/2021/pdf/
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