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けんま君の牧場日記(スタッフブログ)

2021/04/19

研磨のお話「フラップホイール」その2

by 当牧場のオーナー

オーナーです。今回は研磨のお話「フラップホイール」その2です。
今回はフラップホイールってそもそもいつ頃からあるの?って話を書きます。
その為にまずは研磨布紙の歴史。

1. 研磨布紙の歴史

研磨布紙について最も古い記録として、13世紀頃に中国人が潰した貝殻を天然のゴムで羊皮紙に付けていたという話が専門書に載っています。18世紀にはヨーロッパで研磨紙が使われていたそうですが、細かな記録はありません。
研磨布紙の正式な最初の記録は1808年に軽石とニスを混ぜて紙に塗ったと云う記事で、1831年にはロスロップと云うイギリス人がエメリークロスを発明したという記録もあります。その後欧州各国で開発競争が進み、1800年代(19世紀)の後半には商業生産が始まったようです。
ただこの頃の研磨布紙の砥粒は天然石で、接着剤は膠だったために用途は非常に限定的でした。今のようになってきたのは20世紀に入って電炉による砥粒が登場してからです。1891年に炭化ケイ素(C砥粒)、1897年にアランダム(A砥粒)が登場します。そして第二次大戦の頃に接着剤が膠から水に強いレジンボンドを使ったレジンクロスになって今のベルト研磨の応用技術が大いに発展することになります。

    2. フラップホイールの歴史
    1960年代の写真
    レジンクロスの発明は金属研磨に一大変革をもたらしました。ベルト研磨のやり方について今でも行われている方法の殆どは1950年前後に考案されています。そうした創意工夫の中でベルト以外の使い方も模索されたようです。実際、曲面の研磨とかバリ取り、塗膜剥ぎと云った作業はベルト研磨には不向きで、ホイール状にする事で馴染みの良さや当たりの柔らかさが出せることに気づいたようです。様々な形のホイールが試行錯誤されたようで、弊社のSSホイールに似た形も既に1960年代には登場しています。
    それでも研磨工具としての主役はあくまでもベルトであって、フラップホイールを含むホイール系はベルトで研磨できない部分を補う亜流の製品、そんな位置づけです。
    今でも欧州ではそうした意識が色濃く残っていて、研磨材の進化の枝が60年ほど前に我々と分かれた、そんな気がします。ただ欧州でもイタリアはフラップホイールをよく使う国で、古典的なベルト研磨にこだわるドイツとは対照的です。ベンツを生んだドイツとフェラーリを生んだイタリアの違いかな(笑)
    今日はここまで。

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