オーナーです。今回のテーマは「見方が変わると世界が変わる」です。
既にご報告の通り本年8月末日をもって代表取締役社長を退任し、会長職となりました。一般的な役割として社長は「社」の「長」ですから、日々の社業の推進に努めます。それに対して会長は日々の社業から離れて業界団体や経済団体(経団連、商工会議所、同友会など)で社会貢献を果たすことで婉曲的に自社の社会的地位の向上に繋げる役割を果たします。と言うのが模範解答ですが、我々零細企業においては「会長」と云う名で相変わらず社長業をしていたり、「社長」と云う名で実際の仕事は番頭役に任せっぱなしのタイプなど様々です。いや断っておきますが、これは特定の誰かを指しているのではありませんのでお間違えの無いように。
私の話に戻りますが会長職に就任以来、殆ど会社には出ておりません。急に仕事を離れるとボケるよとの社長仲間のアドバイスもありますが私なりの考えで、退任前と変わらず毎日出社すると自分も周囲も以前との変化を感じない、あるいは変化を認めようとしないバイアスが掛る事を懸念したからです。新社長には新社長の思い、考えがあり、私と異なる部分が少なからずあり、会社に出れば私も思わず口を出したくなります。新しい船長に舵取りを任せた以上、元船長はさっさと船を下りるべきで、相談でも受けたらせいぜい自分の経験を話す程度が良いと判断しました。
さて陸に上がった元船長の日々をお話しましょう。
現役時代の高級車を大衆車に乗り換え、近くの買物には自転車で行くようになりました。
自転車で走ると街路樹や色々な風景が目に入り、季節の移り変わりを肌で感じることが出来ます。会社に向かって一目散に車を走らせていた頃は感じられませんでした。また車では入れない路地裏を自転車で走ると自分の街の歴史を感じる事ができます。30年以上同じ所に住んでいたのに「居た」だけで、本当には住んでいなかった事に気付きます。
自分の生活スタイルが変わった事で、こうも周りが違って見えることに驚きを隠せません。物事は見方を変えればまるで別物になります。仕事をしていく上でもきっと同じ事が言えるでしょう。
ともかく新しい目線で世の中を見られることに新鮮な喜びを感じながら日々を過ごしています。
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