オーナーです。今回のテーマは研磨のお話「SSホイール」です。
SSホイールは弊社の最も古い製品です。二つ折りにした研磨布(サンドペーパー)をツメ金具(レーシング)に植え込んだ単純な構造ですが羽根の長さや幅、切り込み(スリット)の入れ方などで多種多様な使い方が出来ます。
羽根の植え方にはストレートタイプ、チドリタイプ、一枚返しタイプがあります。
ストレートタイプ(左)とチドリタイプ(右)
ストレートタイプはアングル材のコーナー部のように狭い部分をピンポイントで磨きたい時に使います。
チドリタイプは当てる場所を分散させたい場合に使います。
SSホイールは研磨に携わる方なら布バフの応用だと云うことがすぐ判ります。数え方もフラップホイールが1個、2個と云うのに対して1枚、2枚と数えます。任意の幅の製品を作ることが出来ないので、研磨する幅が欲しい場合は複数枚を重ねて使います。一見不便なように思いますが、重ねていけば500幅でも1000幅でも作れるのでむしろ広幅向けと言えます。ストレートタイプを重ねるとレーシング分の隙間が出来るので、チドリタイプで重ねるケースが殆どですが、広い幅でしっかり当てたいと云った場合は一枚返しをご紹介します。このタイプは腰が強いストレートタイプの性質を持ちながら重ねても隙間が生まれない優れモノです。
羽根にはスリットを入れて当たり方を調節する事が出来ます。スリットは1本(竹タイプ)、2本(桐タイプ)、3本(松タイプ)が標準ですが、お客様のご希望で増やすことも可能です。強く当てたいストレートタイプや一枚返しはスリットを入れません。チドリタイプで被削材への馴染みを良くしたい場合にスリットを入れます。スリットは数を多くするほど馴染み性が増しますが、研削性は落ちてしまいます。またスリットを入れると製品寿命が短くなるので注意が必要です。
研磨布の羽根を二つ折りにしてレーシングに植えればSSホイールなので、羽根の長さ、幅は任意で変えられます。弊社のモノ作りはお客様の現場にベストな製品を提供することにあるので、結果として様々なタイプが提供されています。弊社の営業がお客様のご要望をお聞きして、当たり方や仕上がりにご満足頂けるまでアレンジを加えていくのです。
最後にSSホイールのアレンジの究極として、SS-pホイールをご紹介します。
あるお客様でスペッサーを挟みながら13枚を重ねて使う必要があったのですが、テスト時に私がセッティングしてみてその大変さを痛感し、作ったものです。金具を再生紙に変える事で製品同士の接着が可能になり、一体化する事が出来ました。これによってセッティング時に26回やっていた作業が1回で出来るようになったのです。
繰り返しますが弊社のモノ作りはお客様の現場にベストな研磨材を届ける事です。研磨の困ったがあれば、是非弊社営業までお問い合わせ下さい。
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