オーナーです。今回のテーマは「お墓参り」です。
コロナの影響もあり今年は特別な夏となった人、多かったんじゃないでしょうか。
旅行や帰省もままならず、家で悶々としていたり、近場のショッピングでお茶を濁したりしたものの、小さなお子さんはストレス溜まって大変だと云うお父さん、お母さんの声が聞こえてきそうです。
私の田舎は奈良県吉野郡天川村と云うところで、近年芸能人が良くお参りする天河弁財天があるところです。天川村と云っても山あいに幾つかの集落が分かれていて、母の実家が弁財天の近く、父の実家が洞川(どろがわ)と云うところで、私もそこで生まれました。
本年2月に、大峰山登山のブログで書きましたが、洞川地区は昔から大峰山への登山口で栄えた宿場町の様な集落です。他の地区が山肌に段々畑を作って百姓暮らしをする中で、洞川地区は天川村でも一番山奥にありながら、川を挟んで800件以上が建ち並び、登山客の泊まる宿の辺りは夏場ともなれば毎日夜店が出る賑やかさです。最近まで古典的な接待を伴う夜の店もあって、畑仕事ではなくて観光客、登山客相手の商売が多く、他の集落の人達からは「洞集(どろしゅう)」と呼ばれて、まじめにコツコツ働かない人達とあまり評判は良くなかったようです。
畑仕事も客商売もそれぞれの苦労があり、どちらが楽も偉いもないですが、確かに祖父などは生涯定職に就かず、川に行っては木の古株や石を拾って磨いては観光客に売ると云う子供から見ると「?」な商売をやっていました。目利きが鋭いと云えばそうですが、畑仕事に汗している人からどんな目で見られていたか、想像に難くないですね。
そんな祖父も、今の私は自由な生き方をした粋な人と思えます。
8月15日、一人でご先祖様のお墓参りをしてきました。
見回すと周囲の墓石の名前は「皿谷」「銭谷」「角谷」「花谷」「桝谷」「亀谷」とやたら谷のつく名字。名字が許された時に谷あいの地区だったのでそれぞれがxx谷と付けたらしく、中でもうちはお寺と関係があったので「札谷」と名乗ったと聞いています。皆さんの周囲でもちょっと変わった「xx谷」さんが居たら、洞川の出身かもしれませんよ。
色々なご先祖様がいらっしゃいますが、今自分がここに生きているのはご先祖様がいたからです。誰しも反抗期には「たまたまこの家に生まれただけ」とか「生んでくれとは言ってない」なんて憎まれ口を叩くものですが、段々歳を取って生を受けた感謝の気持ちが強くなってきました。人は親を選んで生まれてくると云う話もあります。真偽を確かめる術はないですが、逃れられない事ですからそう考えて受け入れるのもひとつかもしれません。
ご先祖様、家族、命って何なのか、お墓参りでそんな事を考えてしまいました。
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