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オーナーです。今回のテーマは「鬼滅の刃と剣道談義」。
今話題になっている「鬼滅の刃」を見に行きました。マンガは全然見たことも無かったので予備知識ゼロでしたが、子供だけで無く大人も楽しめると云うことを聞いたので、たまたま空いた時間で行きました。

感想・・・色々あります。ネタバレにならない程度に書きます。
風景画が実写かと思うほどリアルで、カメラワークのように動きます。アニメ製作会社ufotableだからなのか、最近のアニメのレベルなのか知りませんが、鉄腕アトムで育った世代としては驚きでした。

鬼滅というぐらいでストーリーは鬼退治ですから、戦闘シーンのオンパレードです。子供が見るアニメにしては、随分過激なシーンが多くて驚きます。単なるファンタジーじゃなくて、悲しみや苦しみを抱えて生きていく登場人物を描くことが現実と重なり、それが幅広い世代から支持を受ける一因でしょうが、逆に言えばそれだけ現実が厳しいと云う事なのでしょうか。バブルで踊っていた時代には生まれなかったアニメかもしれません。

オーナーが気になった台詞は、煉獄が闘っている最中に鬼から「永遠の生命が宿るから鬼になれ」と誘われた時に「老いることも死ぬことも人間という儚い生き物の美しさだ。・・・強さと云うものは肉体に対してのみ使う言葉ではない」と言う台詞です。
作者はこれを言わせたかったんだろうなぁ、うん。


ところで「鬼滅の刃」のヒットで、剣道ブームが起きるかもと云う話があります。
剣道経験者からチャンバラとは違う、動機が不純と云う声もあるようですが動機どうあれ竹刀を手にしてくれるのは嬉しいですね。オーナーも小学6年から45歳まで剣道をやっていた元剣道家(五段)です。私の中学2年か3年の時にTVで森田健作の「俺は男だ!」がヒットして新入部員が押し寄せた記憶があります。辞める人はすぐ辞めるし、それがきっかけでずっと剣道を続けてる人もいるので、動機なんて何でも良いですよ。
「剣道はする人によってスポーツであり哲学であり、また宗教でもある」と云う言葉があります。
子供の頃はスポーツとして勝った、負けたで一喜一憂すれば良いと思いますが、修練を重ねると勝ち負けよりも大事な事がある事を知ります。オーナーは恩師の指導で30歳を過ぎて禅寺に通うようになり「剣道は動禅、坐禅は静禅」と教えられ、激しい稽古の中でも心を乱さずに出来るまで10年掛りました。
勝った負けたは一時の事です。誰であれ永遠に勝ち続ける事は出来ません。相手に勝つ事でしか自己の価値を見いだせないでいると、やがて負ける日が来たときに自己否定をすることになります。本当の強さは相手を倒す事ではなく弱い己の心に勝つ事にあります。辛い苦しい稽古に打ち勝ち、怖れることなく相手に立ち向かう心こそが大事なんです。剣道界の、中でも特にスポーツ剣道で実績を上げる選手に煉獄さんの台詞を聞かせたいですね。

「強さと云うものは肉体に対してのみ使う言葉ではない」

鬼滅の刃で剣道に興味を持った子供達が一人でも多く竹刀を握り、本当の剣道の良さを知って貰う事を願って止みません。

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